小豆は一般に温暖多湿の気候を好み、冷害や干害には弱いとされていますが、やせた山間地や開拓地にも適する作物です。また連作に弱いところから3~4年間 のサイクルでの輪作が理想とされているので、広大な土地に恵まれた北海道はまさしく小豆を含む豆類の主産地に適したところと言えましょう。 小豆の主産地である北海道では、当初、松前地方中心の栽培でしたが、開拓が進むにつれて栽培地帯も徐々に道央へ、そして十勝地方へと移りかわって作付面積が増加し、同時に、食用としての自給生産から次第に商品作物(主に売ることを目的として栽培する作物。換金作物とも言います。)としての生産に転換していきました。
生産地における育成、収穫期の天候は収量に大きく影響し、国内の需給状況や中国及びカナダからの輸入状況が小豆価格に影響します。非自由化品目であるため、農林水産省から発表される関税割当数量(注)にも注意が必要です。
小豆の輸入先として最も多いのは中国ですが、最近はカナダからの輸入も増加しています。カナダ産小豆はもともと日本から持ち込まれた「えりも小豆」という種子をオンタリオ州で契約栽培しているもので、中国産小豆よりも品質が良いとされ人気があります。ただ価格は中国産小豆より高いため輸入量は多くありませんでしたが、中国の生産コストが上がったことで価格差も縮小されていますので、この価格差にも注目です。
(※)小豆先物は消費税抜き価格で取引が行われており、受渡しを行う場合は消費税が課されます。
(注)昭和36年度の貿易自由化に際し、激変緩和措置として導入された制度です。一定の輸入数量の枠内に限り、無税または低税率を適用し、枠を超えた分については高関税を適用する仕組みです。小豆の関税割当数量は年2回、上期分は4月、下期分は10月のそれぞれ第一営業日に発表されています。